2025年3月29日土曜日

NFCアンテナ(2)

実験用のNFCアンテナを作ってみる。のちのちPCB内層を利用することを考えて平面で。
アンテナを小さくしてみる。

実験用のNFCアンテナを作ってみる。のちのちPCB内層を利用することを考えて平面で。
アンテナを小さくしてみる。
前回、性能向上を進めるって書いたけど、すでに動くおっきいアンテナでやってもしょうがないなって考えが変わった。現場では無茶な要求に応えないといけないことの方が圧倒的に多いよね。
作ったのがこちら。内寸13mm×13mm。
それでは、こんな感じで動かしてみる。
そうすると、、、
はい。だめです。、、、いいんよ。これで。
では、アンテナの特性を測定してみる。測定方法はコイル(2)に書いてあるんだけど、今回は「反射法」で。理由はネットアナのキャリブレーションがメンドクサイから。
だいぶ雑だけど、こんな感じで、
nanovna-serverではこんな感じでになる。
測定結果をtouchstone(s1p)で保存する(測定結果を画像で保存する文化の会社があるけど、計測器の中はせっかく数字なんだからこの数字を取り出した方が価値あるよね)。1port S-parameterが保存されたわけなので、
(1)ZDUT=50×1+S111S11 で、Zを計算して、 (2)L=Xω ってすればいい。そうすると、こうなる。
ざっくり、560nHらしい。はじめての測定では測定が正しいのかどうかを何とかして検証する必要があるが、今回は計算してくれるwebサイトのお世話になる。こちら
線材の太さ0.25mm/長方形で幅=13mm, 高さ=13mm/巻き数からインダクタンスを計算/巻き数4回
で計算ボタンを押すと、0.57uHってでる。おお、あってそうやん。
次は、タグICの寄生キャパシタンスを測定する。が、直接測定せずに、ICをつないだ状態で共振周波数を測定してみる。こんなかんじ。
で、nanovna-serverのマーカーで共振周波数を探す。共振周波数はリアクタンス=0となる周波数なので、スミスチャートで虚部=0の線と測定データが交わるポイントの周波数。
ということで、35.65MHzにいる。
560nHのコイルだと36pFで共振周波数が35.447MHzなので、ざっくり36pFの寄生容量ってことになる。
アンテナの共振周波数をとりあえず13.56MHzに近づけてみる(本当は13.56MHzは最適ではない)。560nHのコイルだと240pFで13.73MHzなので、150+47pFくらいでいっかな。
こんなかんじ
足つきのキャパシタなんて持ってないから1608をユニバーサルのきれっぱしに実装してICソケットを付けている。
測定結果はこんな感じ
共振周波数は13.87MHzでまぁまぁいい感じ。で、リーダーと通信してみる。こんな感じで通信できている。
まぁまぁいけてるので、こんな感じでもやってみた。h=30mm。これでも通信できる。
やるな「俺アンテナ」。が、ここまでは出来て当たり前なのだよ。世の中の要求はもっと厳しい。

3月は別れの季節。新たなチャレンジをする人。潮時を見極めた人。どんな形であれ決断して行動できる人は偉い。正解しかない。すべてうまくいく。そう信じてる。

2025年3月23日日曜日

NFCアンテナ(1)

 

実験用のNFCアンテナを作ってみる。のちのちPCB内層を利用することを考えて平面で。動くところまでやっつけたい。

実験用のNFCアンテナを作ってみる。のちのちPCB内層を利用することを考えて平面で。動くところまでやっつけたい。だいぶ(10年以上)昔にNFCを検討したときに買ったM24LR16E(STマイクロ)が我が家にある。M24LR16EはISO15693対応なのでそれを単にNFCと言っていいんか?って昔の人なら疑問を感じるけど、タグとしてはNFC Type-5 Tagに該当するらしい。まぁマイナーだね。が、今回はISO14443でやりたいので、STマイクロのM24SR02を購入した。マルツ(https://www.marutsu.co.jp/pc/i/27709926/)のデジキー部品取り寄せ。デジキーから直で購入するよりトータルで安くつく。で、なんでNXPじゃなくてSTマイクロ?そらーNXPはデータシートすらまともに公開してないからだよ。最近はSTマイクロもオフィシャルなメールアドレスで登録しないとソフトをダウンロードできないとか計算ツールを利用できないとか壁を高くしつつあるけど、なんでやろ。
リーダー側はちょっと前に購入したPN5180を使う。
では、アンテナを作る。
こんな感じで、クリアファイルにガムテープの粘着面が上になるように何とかして貼り付けて、そのガムテの粘着面に型紙を貼り付けて、その周りにエナメル線を巻いていく。今回はサイズはPN5180のアンテナと同じにして、4ターンにしておく。きれいに巻くのがなかなか難しい。若い頃は余裕だったのに。
で、巻き終わったら、上からセロテープを貼り付ける。線がはがれないようにってのと、ガムテの粘着面に手が着いてイラっとしないようにって目的がある。で、いい感じに周囲を切り取って完成。
次はICの方。変換基板はSunHayatoのSSP-201。表裏で違うフットプリントに対応しているってのと配線がぐるってしているのが正直気に食わないけど、まぁ我が家に今これしかなかったのでしょうがない。
で、データシート(https://www.st.com/content/ccc/resource/technical/document/datasheet/e2/ed/a5/4c/6b/42/46/91/DM00097458.pdf/files/DM00097458.pdf/jcr:content/translations/en.DM00097458.pdf)によると、
ってことらしいので、
まぁ、こうなる。で、性能を十分に引き出すにはAC0-AC1間に同調キャパシタを付けんといかんのだけど、まぁまずはこのままでまぁどんなもんかやってみる。
リーダー側は以前やったPN5180(NFC Frontend)を使ってみる(1)(https://sunday-engineer.jimdofree.com/2024/02/10/pn5180-nfc-frontend-%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%8B-1/)を使う。<--そういえばこれ「(1)」なのに「(2)」はいまだに現れてないね╮(´•ω•)╭、、、まぁ気にしない。で、まぁこんな感じ。
で、とりあえず、動かしてみよう。こんな感じで、M24SR02につないだ自作アンテナをPN5180のアンテナにかぶせて、
で、ターミナルを見てみると、
こんな感じでUIDを読み取れたことがわかる。だいたい10mmくらい浮かせてもUIDを読み取れる。やるな「俺アンテナ」。この後、まずは、さらなる性能向上をめざす。

さて、まただいぶさぼった。やるべきことが多すぎてやる気が起きない。やりたいことが多すぎてどれにも手が付けられない。そんな時もあるさ。いや、先週着手してたんだけど、タグICが我が家に10年以上前に購入したM24LR16Eしかなくて、今回は諸事情によりISO15693ではなくISO14443でやりたかったので、M24SR02を改めて発注してたって訳だよ(言い訳)。